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  • 執筆者の写真Dog Homestay FLUFFY DOG

大くんの肛門嚢腺癌

愛しの愛しのふわふわ大くん。


まったくもうかわいくてかわいくてね。

愛しい愛しい大くん。


2019年12月24日、16歳8ヶ月と25日。

ふわふわとお空へ旅立っていきました。


そんなふわふわかわいい大くんが旅立つ半年前に見つかった肛門嚢腺癌(肛門嚢アポクリン腺癌)について、記しておきたいと思います。



いつものようにゴロゴロしながら大好きなふわふわのお尻をさわさわしていて、なんだか右側の骨だけやけに大きく感じて、あれ?右側だけ大きい?なんだろう?よーくよーく確認し、やっぱりこっちだけ少し大きいよね?本当に骨のようにカチカチでとてもとても硬かったので、骨の病気、まさか骨肉腫!?なんて愕然としたのを覚えています。


この骨かと思うほど硬いカチカチの塊は肛門嚢腺癌(肛門嚢アポクリン腺癌)という癌でした。


この病気のことをSNSにpost したら、何人かのポンと暮らす方から 、うちの子もそうです、そうでした、とメッセをいただきました。そういえば、、かなり以前にドッグランでお逢いした方も10歳の若さで肛門嚢腺癌で。。とか言ってたな。そんなことも思い出したりして。


頭数が多くない犬種なのに、これだけ多くのポンが同じ癌になるなんてね?


もちろんきっと肥満細胞腫とかリンパ腫とかよくある癌の子も普通に多いのだとは思うけれど、やはりずっと同じ血統で繁殖されているので、遺伝的にこの癌になりやすいのかもしれませんね。



ポーリッシュ・ローランド・シープドッグの遺伝的疾患については以前からお話し続けていますが、ポンと暮らしている方たちに、大吉が発症したポンの遺伝性疾患、PRA(進行性網膜萎縮)膝蓋骨脱臼、アレルギーや心疾患と併せて、また新たにこの癌のことを覚えておいて欲しいな、と思います。


特に10歳前後、お尻の辺りを特に注意して良く見ておいた方が良いかもしれません。 少しでも異変を感じたらすぐに病院で診てもらいましょう。


早期発見ならすぐに第一選択である手術ができると思いますし、術後のケアでまだまだのんびり穏やか健やかに一緒に過ごせると思います。


*この肛門嚢腺癌(肛門嚢アポクリン腺癌)はネットで調べると非常に悪性度が高く進行も早いと書かれていることが多いですが、大くんの主治医の腫瘍認定医の先生は腫瘍の進行はのんびりで転移してもとてもゆっくりなので、適切な治療を受けていれば何年かは普通に生きられることが多いとおっしゃっていました。分子標的薬のパラディアが劇的に効いてくれることもあるようです。


ただ場所が場所なので衛生面や傷の塞がりにくさなどもあるので術後の管理は想像以上に大変なのかもしれません。


この時大くんは健康でどこにも悪いところはありませんでしたが、やはり16歳3ヶ月という高齢だったために手術をしてもQOLを低下させるだけで寿命を迎える方が早いだろう、とのことで手術は選択外に。


望みを託したパラディアもほとんど効いてくれませんでした。


6月の時点でもう私のこぶしほどの大きさになっていたので、とにかくとにかくかわいいおじぃちゃん大くんにうんちが出ない苦しみだけは味あわせたくないという思いが強くて、パラディアと併せてNK細胞療法と組織細胞療法、以前からやっていたオゾン療法や鍼灸、抗癌サプリなど助けになりそうなものは片っ端から始めました。


でもパラディアを開始してからふた月ほどで副作用の白血球低下があって休薬となり、NK細胞と組織細胞療法、オゾン療法は続けていましたが、8月の最後の日に突然脳に何か起きたような状態になり、でもどこにも悪いところはなく、穏やかにすやすやと眠っている状態からみて、脳の老化、老衰との診断。ここで鍼灸以外全ての治療をやめました。


いろいろな治療を行った結果としては、大きさに変化もなく良くもならず悪くもならずで、効いたのか効かなかったのかはよくわかりません。時間がないからと焦っていろいろなものを一度にやっていたしね。今思い返してみると、返ってこの犬種ではハイシニアすぎるほどのおじぃちゃん大くんには負担が大きかったのかもしれません。


もしうんちが出なくなるかもしれない、というような癌でなかったらここまではしなかっただろうな、と思いますし。


それから旅立つまでの4ヶ月間は、毎日のお灸やハーブなどの温湿布にマッサージ、週に1度の往診での鍼灸以外はなにもしていませんでしたが、少しずつ少しずつ小さくなってぐにぐにと他の組織から離れたような状態になりしぼんでいきました。結局この癌は悪さをせずにいてくれたようです。


食べなくなって弱っていくと腫瘍がどんどん増大してあっという間に大くんのカラダを食べ尽くしてしまうかもしれない!なんて不安に思っていましたが、逆にほとんど食べていなかったので腫瘍が悪さをすることもできなかったのかな、と思ったりもしました。


*鍼灸の往診を続けていたのは癌をどうにかしようとしていたわけではなく、一生懸命生きている大くんの体がのんびり楽に過ごせるといいな、と思って続けていました。大くんも若くて美しい先生に逢えることを楽しみにしていたようだしね!


ポーリッシュ・ローランド・シープドッグのようなふわふわの犬種は特に被毛の上から見るだけだとこうした変化に気がつきにくいので、日頃からくまなくスキンチェックを欠かさずに、しつこいよーと怒られてもさわさわしてカラダ全部をチェックをすることを忘れないようにしたいですね。




出逢った当時2歳という若者だった大吉。

ポーリッシュ・ローランド・シープドッグという犬種を知らなかった私は、ふわふわむくむくあまりのかわいさにすぐにこの犬種のことを調べ、夢中になりました。


大吉に出逢えたこと、そして14年もの長い間同じ時を過ごせたことは本当に奇跡のようなものです。


かわいいかわいいふわふわの犬、ポーリッシュ・ローランド・シープドッグのこれからの幸せを願ってやみません。

今日本にいるポンの多くを産み出しているであろう大吉のブリーダーも、いつか金儲けのための道具としてではなく、この犬種を心から愛し、ブリーダーとしての誇りに目覚め、本当の意味でのブリーディングをしようと思ってくれる日がくると信じたいです。


ふわふわむくむく愛しの大くんがいつか生まれ変わってふわふわと私の元へ戻って来てくれる日が来るといいな。その日がくるまでのんびり待っていよう。


そしてそして、今はこんな大変な状況なので私たちもイライラピリピリしがちですが、そんな私たちと一緒に暮らす犬たちが少しでものんびり穏やかに、愛と幸せをめいっぱい感じながら過ごせるようにと願っています。



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