最近とくに老犬ホームが癒されるだの素晴らしいだのとチヤホヤされているように思えるのは気のせいでしょうか。
このサイトへ来てくださる方の検索ワードはほぼ毎月「老犬ホーム、神奈川」が一番多いです。
それだけ老犬ホームを検討しているヒトが多いということなのでしょう。
面倒見きれなくなったから、だけでなく、高齢の飼い主さんが亡くなって行き場のなくなった犬や猫たちをお子さんや親戚の方たちが預ける、こういったケースがこれからもっともっと増えていくのでしょうね。
高齢化社会でどうしても老犬ホームの需要が高まり…、というのもわかるのですが、預けられた犬たちを間近で見ていたものとしては本当に心が痛いです。
うちは老犬ホームではないけれど、常にかわいすぎるお年寄りばかりが暮らしていて、長期でお預かりしているコの中にはやはり飼い主さんの入院や飼い主さんが亡くなって行き場のなかったコたちもいます。
運よく親戚の方が一緒に暮らせるようになったから、と帰れるコも中にはいますが、ステイ中に寝たきりになったりガンや重篤な病気になりおうちに帰れずに見送ることも多いです。
きっとお迎えを待ち続けているだろうと思うと切ないけれど、せめて最後の瞬間まで私のたっぷりの愛を感じながら旅立って欲しいと常に思っています。
なにせ私に出逢えた犬は絶対に幸せだと勝手に思って、もう飼い主さんの元には帰したくないと思っているくらい!笑
ヒトと寄り添い触れ合うことを最上の喜びとし、何をせずとも私たちを無条件に信じ愛してくれる犬たち。
私は老犬ホームに預けるということは捨てたことと同じだと思っています。
言葉の話せない犬が相手なのですから。
老犬ホームは犬の姥捨山です。
ヨボヨボになるまでの長い年月、喜びや哀しみを共に感じながら一緒に暮らしてきた彼らを、面倒が見切れない、と年老いてからこういった施設にあずけることの残酷さ、もう一度よく考えてみませんか。
仕事が忙しくて満足に面倒見れないからきちんと面倒を見てくれるこういった施設にいた方が楽しいだろうって。。そんなことはありません。
死ぬまで預けるよりも他に老犬介護サポートなどのデイケアやシッターさんなど、様々なサービス、選択肢が増えています。お住いの地域でもあるかもしれません。探してみましょう!
老犬ホームに預けるためのお金をこうしたサービスを利用した自宅介護のサポート、何泊かホテルに預けてみんなで息抜き旅行へ、など一緒にいる方向で使うことを考えてはもらえませんか。
老犬ホームというものは、完全にヒトのためのもので、犬のためのものではありません。
老犬ホームに預けられている犬たちは「大好きなおかあさんはいつお迎えにきてくれるだろう」と死ぬまで待ち続けます。
あなたのことをずっとずっとずっと待ち続けて死んでいきます。
ある大型犬の物語の施設ほどひどい施設はもうないかもしれないし、もっとひどい施設もたくさんあるかもしれないしわからないけれど、どんなにいい施設、環境であろうとも、ダイスキなあなたはいません。
ホームと名付けられていても普通の家庭に迎え入れられるわけではありません。
ケージや犬舎に入れられて他のたくさんの老犬の鳴き声や匂いとともに生活をし、ヒトのぬくもりを感じるのは一日にほんの少しだということを忘れないでください。
そして、あってはならないことですが、もしかしたら雑に扱われ、殴ったり蹴られたりしているかもしれません。(ある大型犬の物語の施設ではスタッフによる暴力もありました。)
もちろん全てにおいてきちんと管理されている施設が多くなってきているとは思います。
でもね、毎晩スタッフ常駐って言ったって、たったひとりで寝たきりのコを10頭も20頭もきちんと見れるはずもないし、それぞれの犬の衛生状態、暑い夏や寒い冬の温度管理など、たった3人4人のスタッフで、40頭も50頭もいるお年寄りたちの面倒を満足に見れるはずがありません。
たとえ老犬介護のスペシャリストであろうが、体はひとつです。
預けるヒトたちはたった一頭のコの面倒を見れなくて預けるのだもの。その大変さがどれだけのものか、わかっていることと思います。
夜中にどれだけ泣こうがわめこうが、放っておかれていることの方が多いでしょう。
そしてそんな環境にいきなり連れてこられて、肉体的にも精神的にも弱いコであれば半年経たずに旅立つコも多いです。
預けられて次の日の朝には旅立ってしまったコもいました。気力だけで頑張っているコも多いのです。
そして強いコはひたすら何年も何年もさみしさを我慢し、ダイスキなおとうさんやおかあさんのお迎えを待ち続け、次第に諦めきった冷めた目の犬になり、調子が悪くても気がついてもらえずに、誰に看取ってもらうこともなく、ある朝スタッフが冷たくなった亡骸を発見する。。一生懸命あなたたち家族を愛してくれた彼らの犬生の最後はそんな風に終わるのです。
普通のおうちに引き取られるわけではないということ、ただただ生かされているだけでいいのか、ということを考えてほしいです。
犬たちは最後の瞬間まで、あなたと一緒にいられることを信じて疑いません。
何が起きたのかもわかりません。
どうか、犬たちの一途な想いを裏切らないではもらえませんか。
犬たちはあなたたち家族のことがダイスキなのです。
そして、高齢の飼い主さんが亡くなり、一緒に暮らしていた犬の行き場を探している親戚の方々、たかが犬なんだから、と思わないで欲しいのです。いきなり飼い主さんがいなくなったことも、もう二度と逢えないことも犬は理解できません。
子供のように可愛がってくれていた飼い主さんが突然いなくなってしまったのです。
小さなカラダでどれだけ心細く感じているでしょう。
どうか、少しだけでも犬の気持ちを考えてあげてもらえませんか。
新しい家族を探したり、犬を預かってくれる犬好きのヒトを探してあげてください。
老犬なんだから老犬ホームがいいだろう、などと簡単に考えないでください。
普通の家庭の犬のように暮らせるところを探してあげてください。
その犬と暮らしていた亡くなった方のためにも、同じように大切に扱ってあげてください。
どうかよろしくお願いします。
あわせて老犬ホームに預けられたグレートピレニーズの物語も読んでみてくださいね。